NO ONE is SOMEONE

空疎な風に想うまま 趣味、人生感、記憶を文字へ

心は死んでも体は生き続ける/小説

こんばんわ、
秋なのにノースリーブで過ごしてます。
重ね着の秋は何処へ行った。


今日はまた夜中の3時に目覚め
早朝まで読み耽った本をご紹介します。
結構、今更ながらの本で今更、です。


お奨め度★★★
嫌われ松子の一生(上下)山田宗樹先生
山田宗樹『嫌われ松子の一生(上)』 - 幻冬舎plus

上京中の大学生・笙が父親から撲殺された
叔母松子
の遺品整理を頼まれる。
存在すら知らない叔母の殺害された部屋に
行く事に気乗りしない笙だったが、
彼女が荒川を見て泣いていた」聞き、
福岡出身の彼には心情が理解でき共感する。

彼女の一生に興味を抱き始め、
死に至るまでの人生を追い駆けてゆく。


笙が見聞きした彼女の人生は、
最初から最期まで「男」に翻弄された。
騙され、裏切られ、何度も何度も何度も
「愛されたい」欲求の上の希望に浮上し、
人生の選択を誤って堕落
してゆく。


何故、不幸のどん底の彼女は殺されたのか?
最期、彼女は何を思って朽ちたのだろうか?

最後の頁を閉じた瞬間、貴方は理解する。


読後の感想

感動の面ではじんわり型。
物語の面白さが際立ってテーマ性は深読み
しないとピンっとこない点で★マイナス2。


松子は何度も死のうとする場面が出てくる。
実際に彼女の心は何度も死ぬ。
だけど、体は生きる事を望み続けた。
絶望の死と希望の生が葛藤してゆくのは、
私達の誰しもが抱いている本能である。


人は絶望しても挫折しても、
何度でも立ち上がって生き続ける。

人間の逞しさと強さを描いている。


また、
登場する聖書や牧師の話から「愛」とは何か
此の本は私たちに語りかけてるように思った。
松子は最期に此れを理解したのだと思った。


余談1
福岡から上京した人や、福岡県民なら
町の風景、天神通りなど鮮明に描かれていて
他県の私よりも面白いと思います^^


余談2.
笙って「竹」+「生」はテーマ生きるに
関連あるのではと思いません?

気付いて大興奮で調べたんですけど、
意味は弦楽器なんだって…・ω・シュン
調べ損。


余談3
「博多 サラダ菜」他県にまで販売。

読後で福岡に愛着沸き過ぎた上、
マオ様の噂のくるっぱ、普通に買うでしょ。
因みに本では久留米駅も登場します^^

38円のリーズナブルさで2つ購入。
ここ数年前から、気温の加減だと思いま
すが、九州の野菜美味しくないですか?
トマトとかくまモンの買うもの。美味。


久々に長崎とか福岡に大分行きたいなぁ…


読み易さ★★★★★
文体がティーンズ小説のように、登場人物の
視点
で全て描かれており小難しくない。
二部構成で、現在進行形と過去を交互に描き
事実が横幅に広がる点と何と言っても松子の
人生や登場人物がユニークで面白かったです

最初から最後まで一気読み出来る本でした。
文句なし★5です。


参考 映像
映画化 中島哲也様 最高芸術。
とにかく映像がエモい
小説よりテーマ性の面で弱かった?
昔に映画を観て原作を今回初めて読んだけど、
微妙なズレを感じました。
コレはコレで芸術でしたけどね^^

Memories of Matsuko (嫌われ松子の一生 - Tetsuya Nakashima - Japan, 2006) Trailer


さて、
次は松子の一生の続編を読みます。
まだハードカバーの戦いは続くのです。


読書の秋。
哀愁の秋。
小さい秋みっけ。

くるっぱみっけ。