NO ONE is SOMEONE

空疎な風に想うまま 趣味、人生感、記憶を文字へ

豆の上で眠る/湊かなえ先生/小説

今晩和・ω・げふ
真夜中に空腹症候群でガッツリ食後。


更に今月は〆仕事完遂の為、
余裕丸出しなどや顔でワタクシは
読破済みの本を雄弁に語ります。


豆の上で眠る/湊かなえ先生
新潮文庫/お奨め★★★★

❖ご紹介文❖
本物の王女様を探す王子様は、
敷布に豆が混入してある事に気付けた
みすぼらしい女性と婚姻した。


子供の頃にその絵本が大好きだった主人公は
母親の病気が切っ掛けで帰郷する事に。


故郷が近付くにつれ、両親と姉との記憶を
想い出して沈鬱になってくる。


自分の姉は敷布に豆が混入してても
気付かない《偽物》なのだ


姉が数年失踪して戻ってきた日から
彼女のその疑念が今も胸を締め付けた。


故郷に戻ると姉が自分から隠した友人を
見掛けた彼女は疑念が確執に変る…


姉は《偽物》なのか《本物》なのか
事実を知った彼女は最後にこう言った


『本モノって、何ですか?』


❖お奨めポイント❖
郷里に戻る妹が見る物や出逢うモノで
少しずつ過去を振り返る都度、
読者は事実に繋がる伏線に頭を捻る。


何故、何が、どういう事?


面白過ぎて頁を捲る手が止まりません。
また失踪事件の身内の心情が非常に鮮明で
過酷、悲壮、執念、様々な感情が胸を打つ。


読後に想い出したのがドラマ「mother」と
映画「彼らが本気で編むときは」です。

Mother -静寂はヘッドフォンの中

В Европе начинается предрождественская лихорадка.
この双方は育児放棄する母親の娘と第三者が
母親になろうとする話で、どんな親でも娘に
とっては母は愛しい存在である事を感じます。


第二成長期で自我が確立する前の子供は
特に動物と同じで血縁を直感で悟り、
善悪関係なく無償の愛を母親に捧げると、
私は思うから幼児虐待は余計に切なく厭う。


上記二作の血縁の繋がりを考えさせるより
血縁のない繋がりの深さを考えさせられる、
一風変ったテーマで良い本でした。


しかし、最後がやっつけ感がある事実解明、
愛したほど深く裏切られ憎しみと悲しみを
感じた主人公の感情が伝わり辛く、困惑と
云う結論を投げられ、考えてしまった本。


結論を読者に委ねた本ならではでしょう。


今日のおまとめ/自分メモ
家族とは血縁であり、血縁ではないのだ。
両親は他人から家族になり、子供を授かり、
初めて血縁となるのである。


だからこそ、他人しか愛せず、
血縁の子供を守れない親にはガッカリする。
そんな事件が多く、子供が生きたであろう
人生分の刑罰さえ下せない法律にもガッカリ。


子供とは国を支えゆく、国の宝である。


人口総数が減少する中で児童相談所より権限ある
警察の介入などもっと真剣に考える法律家や
政治家はいないのだろうか。


少し憂いを感じる。


殺されても子供は母親と父親を愛し、
ひたすらに愛されたいと願う無垢なもの。


それを知って尚も、虐待するは鬼である。