NO ONE is SOMEONE

空疎な風に想うまま 趣味、人生感、記憶を文字へ

人類滅亡小説/山田宗樹先生/小説

今日和^^春の息吹を感じる陽光です。
歯医者に日用品の買出し、食べ過ぎ胃痛3時間、
入浴読書、掃除に洗濯、背伸びお酒タイム、
ブログ閲覧タイム、トロと遊ぶ…ド平和・連休。


自由過ぎる時間は『一番したい』事が曖昧で
時間を無駄に浪費する贅沢者であるワタクシ、
今日は読破済みの小説をご紹介致します。


人類滅亡小説/山田宗樹先生
お奨め度★★★★

◇ご紹介文◇
細菌が大量発生して雲が赤く染まる現象
世界各地で観測されるようになった。
平和慣れし刺激を求める人々の間では
「世界崩壊」という都市伝説が流れ始める。


そんな人々に冷や水を浴びせる如く、
赤雲が地上に落下し多数の死亡が出る災害へ。
次第に赤雲が空を覆う世紀末、陽光が遮られ、
農作物が育たず食糧危機と酸素不足の危機
瀕し、崩壊する世界で人々は何を想い、感じ、
生きるか…時に迷走し、ただ奔走してゆく


私達は「人間」として息をしている以上、
全て奪われたとて忘れてはならない、
平和に因る感覚麻痺で鈍る「本能の原点」
此の本を手にすれば、想い出すだろう。


◇お奨めポイント◇
本書の凄みに震撼
かなり直近の細菌災害と平行して読んだせいで、
人々の動向が全く同じで怖かった


「まさか」の発言が真実味を帯び、
「死亡」で危機を感じて不安に煽られ、
「希望と不安」が混ざった「デマと噂」が流れ、
「暴動」爆買い「政治非難」が起こって…・ω・涙。


以降、本書では「絶望」による不安から宗教に嵌り、
テロ等の騒乱が起こり始める。
此れも古来から「神頼み」「一揆」があるように…
危機に陥った集団心理が非常に正確に描かれ、
凄いと思う一面と悲しくも実感も伴ってしまった。


世紀末パニック系では噴火など映画化されていたが、
微生物を題材にした架空イメージは斬新で面白いし、
赤雲も絶対にない危機ではない点が素晴らしい。


残念な部分
山田先生との出会いは今回と類似した「黒い春」
肺が黒くなり最後は黒灰を吐いて死ぬ細菌感染病を
題材に「一人の命の重み」と「家族の在り方」

書いており非常に感涙したのを覚えています。

今回はプラスで「人類の命のテーマ」で壮大でした。
生に輝いた妹と死に浸かれた姉の姉妹の話から、
妹の子供リュウリ、そして其の子供のラナの話に

世界の崩壊の始まりから着地点と時代背景が流れる


ただ壮大にした分、感情移入としては黒い春に劣る


それでもグッとくる序章と終章付近もあります。
本を閉じたら寂びた感慨深さも余韻で残りました。


副題テーマ「作家の想い」
山田先生の活字本に対する想いが伝わりました。
「この時代に生きた想い」文字に込め続けるから
この方の本には「愚直な生」を感じ、重みがある。


今日のおまとめ/自分メモ
AI技術(石器)に頼る社会が成立してる。
人間の生態や思考は全く変らない


「歴史から学べ」と耳にする。


時代背景の変わりが見えても
人間そのものは変りはしない


平和 騒乱 平和 騒乱
繰り返す時代の渦


それこそ「教材」なのかもね。
変らぬからこそ予測のヒントがある。


何時かこの不毛な螺旋を壊したいね。


それは道具なんかじゃ出来ない
それは人類の意志ひとつで叶う