NO ONE is SOMEONE

空疎な風に想うまま 趣味、人生感、記憶を文字へ

札束は道具でしかない/小説「罪と祈り」

今晩和^^♪
作家の人気が出れば出るほど単価上げで
ハードカバー本出版が増える傾向に辟易。


重くて読み辛いんです!!


電子書籍を購入すれば済む話ですが、
紙の頁を捲りたい時代遅れ人です。


音楽DLも利用はしますが、CD購入。
矢張り私は形を残したい現代の化石です。


無価値の拘りを呟いた私は、
今日は読破した小説をご紹介致します。


貫井 徳郎先生 罪と祈り
お奨め度★★★★

◇内容の説明◇
真面目で正義感に厚く誰からも愛された
元交番勤務の男の不審死


自殺した父を持つ刑事が事件を追い駆け、
弔いを兼ね父の人生を調べる無職の息子
二人は親友であり、父同士も同じだった。


父と父、息子と息子、
父と息子、過去と現代、
各々が交錯交差し「罪と祈り」に到達す。


真実は限りなくひとつしかないのに、
時代が変われば人が変われば回答が変わる。


変わらないのは、変えられないのは、
父子の血の絆と親友の絆ではないだろうか。


たったひとつの真実が導いたものは、
あまりに多く、感慨深く、祈りの光が灯る。


読み易さ★★★★★
王道節の展開であり文章も非常に読み易い
貫井節の言葉トリックから得る驚きは軽め、
非常に構成や設定が緻密で感慨深さが出た


殺人事件の謎はあくまでおまけで、
時代、血縁、親友、様々な関係構図が、
読み終えて始めて完成する面白さ
がある。


読後の感想
本を閉じた後は切な悲しくも温かい心地。
貫井先生は切ない終わりの作品が多いですが、
此度のような希望の描き方は山田節で優しい。


読後に思い返して脳内で関係性を再構築すれば
更に別の部分に繋がり幾多のテーマ性に感嘆


すげーぜ・ω・深いぜ!
流石だぜ!好き♡


そして、
貫井先生の描く男性の友情は非常に良い!
ハードボイルド、純粋で愚直、格好良い。
こんな友情に憧れます!


今日のおまとめ/自分メモ
本作の背景にあるのは、バブル時代の狂乱。
札束があれば何でも叶う夢の世界であり、
札束が人を何処までも粗暴に粗悪にもさせる。


札束は人にとって麻薬だと思いました。
様々な感覚を麻痺させる。


札束の為に何かをするのではなく、
札束で何をするのか?何を得るのか…、


札束はあくまで武器である方が良い。
だからこそ「金は天下の回り物」なのです。


忘れない!・ω・メモメモ!!