NO ONE is SOMEONE

空疎な風に想うまま 趣味、人生感、記憶を文字へ

精神は砂城の如く崩壊する/小説・1303号室

今日和^^♪
今日は読破した1303号室、
大石圭先生の魅力を語りたく存じます。


1303号室
お奨め度★★
読み易さ★★★

描写
文章自体は非常に読み易い作家様です。
ライトノベル感で一気読み出来る良さ。


しかし幽霊系のホラー小説として、
心霊描写が然程怖くない点がマイナス。


精神崩壊経緯と狂乱した心理描写は繊細で、
悪の根源である悲しみが深く刺さります
死体描写が生々しく鮮明でゾッ…とします。


展開・構成ワンパターン。マイナス。
心霊問題3問から回答編と云う構成
1303号室で起る心霊事件を3話続け、
全て同パターンの結末で先が読める事。
問題定義の部分で回答に繋がる伏線が弱く
問題定義と回答のぶつ切れ感が強かった。


読後の感想
憎悪と執念の奥底の深い悲しみが広がる。
大石圭先生ワールド定番の安心感がある。


大石圭先生の魅力


特徴1
精神崩壊した人間の歪んだ心理描写
死体、殺害方法や状況、猥褻行為の残虐描写
非常に繊細で視点が独特で彼の世界観がある。


特徴2
ハッピーエンド皆無、悪放置エンド。
幽霊は退治されない。
殺人鬼は野放しで逮捕されない。
悪い事をする側の狂気と悲しみが不思議と
胸に残るから悪を憎みきれないんだよね。


特徴3
通常の殺人事件は警察側の捜査が主体だが、
あくまで犯人側の心情と行動のみ繊細に
描いていくのが独特な世界観


常人ほど異常者の心理は中々理解出来ず、
有り得ん、グロい、後味が悪い
賛否両論の小説が多く好き嫌い分かれます。


大石先生の本をお奨め出来る人
快楽異常殺人の心理構造に興味がある人
※24人のビリーミリガン(多重人格者)
 コレ読むような人は間違いない。


単純に人間嫌いな人(笑)も嵌ります。


小説の系統
ホラー(心霊事件、殺人心理)
エロティック(歪んだ愛情)


お奨め読破済みの書籍
幽霊小説「呪怨シリーズ」
ミステリー要素も加えて謎が繋がる快感がある。

殺人小説「邪な囁き」
非人道的な欲望の声が脳内に響く声は次第に
エスカレートしてゆく男性が主人公。
常人に理解出来ない純粋悪の存在が面白い。

人の醜悪が主題「処刑列車」。
この本が私と大石圭先生の出逢いです。
列車占領され人質となる人々の精神苦痛、
自己中心的な醜悪さを描いています。

他諸々、個人的に面白かった。
カニバリズムが主題「湘南人肉医」。
報復殺人が主題「殺人勤務医」。
母親への狂愛が題材「殺人調香師」。
力が常人を異常にする自由殺人」。
弱い人のエゴが題材「人を殺すという仕事」。


最近はエロティック路線が多く、
何冊か読んで「檻の中の少女」等も
読みましたが…切なくて可哀想な話ですが、
狂気心理と言うよりハードSM感が凄い(笑)


今日のおまとめ
大石圭先生の本を一言で語れば。
本当、人間嫌いが書いた本、
NO1作家・ω・ダントツ。